ライフスタイルを大切にする暮らし

「住宅とライフスタイル」

~不動産の最新市場動向から業者選びのコツ、物件選びの注意点まで~
帰国後の住まいをどうする?

マンション・一戸建て購入ガイド


 日本への帰国が決まったとき、何よりも優先して着手しなければならないのが住宅の手配です。社宅に入ることが決まっているならばともかく、個人で住まいを探さなければならない場合は、多数の煩雑な問題を解決しなければなりません。そこで今回は、帰国後に住まいの購入を考えている方に、不動産市場の最新動向から業者選びのコツ、物件選びの注意点まで詳しくご紹介します。


住宅特集 ①住宅編

チェックポイントの整理が先決!
まずはライフスタイルの「棚卸し」を

 通常、海外赴任はある程度期間が決まっています。しかし、さまざまな状況により、突然帰任の辞令が出ることも珍しくありません。内示は2~3ヶ月前に出るのが普通ですが、中には1ヶ月前に突然通告されるケースもあります。
 そのため、準備を急がなければなりませんが、慌てるのは禁物。重大な見落としをしてしまうと、帰国後の生活に支障をきたす可能性があります。そこでまずは、チェックポイントを整理し、それぞれに優先順位をつけることから始めましょう。
 最低限チェックしたいのは表1に挙げた4点ですが、これらの要素を的確に抽出するには、自分たち家族がどのようなライフスタイルを持っているかを振り返ることが必要です。どのような家族構成で、どのような志向を持って生活を営んでいるのか、そして今後家族にどのような変化が訪れる可能性があるのかを具体的に考えて整理していくことで、自ずと選ぶべき場所や物件が見えてくるはずです。

 表1:住まい探しのチェックポイント
 場所  通勤・通学など交通の利便性を考慮。駅からの距離、バスの本数などもチェック。子どもの教育に力を入れるならば、小中学校の学区も意識したい
 環境  スーパーや商店街は営業時間や品揃えなども要確認。騒音や臭い、振動などの原因となる施設の有無も要チェック
 広さ・間取り  家族の人数・構成、家族間の課題なども考慮したい。介護の可能性や子育ての段階など5年、10年先の変化まで意識できればベター
 自治体による行政サービス  住宅関連助成、子育て支援などの有無、その他行政サービスの内容、防災に対する姿勢なども確認したい

 また、海外と日本は家賃や住宅購入にかかる費用、住まいの広さや使い勝手なども日本のそれとは異なります。頭ではそう理解していても、海外生活が長いと少なからずギャップを感じてしまうものです。しかし、ライフスタイルをしっかり見極めていれば選択・決断時の目安にできますので、「棚卸し」をするような気持ちで家族の生活を見直すことをおすすめします。
なお、軽視しがちながら意外と重要なのが、自治体による行政サービスのチェックです。特に一戸建ての購入を考えている場合は、どのような住宅関連助成制度を行っているのかを必ず事前に確認しておきましょう。
 最近は子育て支援が充実している自治体が増えていますので、子どもがいる場合はそれも要チェックです。
細かいところではゴミの分別なども自治体によってかなり違いがありますので、知っておくと戸惑わずに済みます。


時間が限られているときは
信頼できる「プロ」探しが早道

 チェックポイントが整理できたら、あとは具体的な準備を進めるだけです。とはいえ、物件の情報収集から資金の調達まで、やらなければならないことは非常にたくさんあります。これらをこなすのは、ただでさえ大変なことです。限られた時間のなかで、しかも海外にいて気軽に現地へ行けない状況ならばなおさらです。状況次第では現場を見る余裕もなく住まいを決めなければいけない可能性も十分にあり、「満足できる住まい探しができるだろうか」と不安を抱える方もいるのではないでしょうか。
 そこでおすすめしたいのが、プロを上手に活用することです。不動産会社やハウスメーカーは豊富な情報を持っていますし、さまざまな状況への対処法も熟知しています。もちろん、プロであればどの企業でも良いわけではありません。ニーズに対して適切な対応をしてくれるプロを選べるかどうかが、住まい探しを成功に導くカギを握ると言っても過言ではないでしょう。では、どうすれば適切なプロを選ぶことができるのでしょうか。
 最初に注目するべきなのは、エリアです。不動産情報は「生き物」ですので、地域の情報や価格の動向を詳しく理解していなければ、適切な対応はできません。住みたいエリアで豊富な実績を持っているかどうかは、重要な判断基準となります。「大手企業であれば安心」と思う方がいるかもしれませんが、一概にそうとも言えないのが不動産業界です。後述するように、現在はマンションも一戸建ても、市場が非常に活性化しています。業界内の競争も激しいため、中小企業だからといって情報量が少ないとは言えません。さらに、不動産の性格上、必ずそのエリアに強い不動産会社やハウスメーカーが存在しますので、少なくとも選定する前段階では間口を広く空けておくことをおすすめします。



レスポンスの速さと税金などの知識の有無が
「プロ」を見分けるポイント

 住みたいエリアに強い企業をいくつかピックアップできたら、そのすべてに問い合わせのメールを送りましょう。
メールに対する反応で、ある程度信頼できるか否かが判断できます。スピーディかつ質の高いレスポンスが得られなければ、スマートな対応は期待できませんので、候補かrあはずしたほうが無難です。本格的に依頼することになれば、やりとりはメールベースにならざるを得ないからです。
 つその判断を下すためにも、初期段階でいろいろ質問をしておくことをおすすめします。表2に「不動産会社・ハウスメーカーを選ぶポイント」をまとめましたが、これらにすべて該当すれば、信頼に足る企業だと言えるでしょう。
中でも「税金の知識」、「住宅ローンのアドバイス」、「中古住宅の知識」は、その企業(もしくは営業マン)がどの程度のスキルを持っているかを知る目安となります。
 たとえば税金で言えば、どのようなケースだとより多く住宅ローン控除を受けられるのかを知っているかどうかで、物件の選択肢も変わってきます。2015年には相続税の増税が予定されているため、購入の機会を利用して親から財産分与を受けたほうが良いなど、具体的かつ有効なアドバイスを受けることもできます。中古住宅の知識の有無を確認するには、実際は新築住宅しか考えていなくても「中古も視野に入れています」と一言添えるのもひとつの方法です。それに対するレスポンスで、ある程度レベルを判断することができるでしょう。

 表2:不動産会社・ハウスメーカーを選ぶポイント
 メールの返信・情報提供が早い  レスポンスの早さと的確さでビジネス感覚が判断できる。24時間以内に返信があるかどうかが目安。
 エリアでの実績が豊富  物件情報はどの企業も持っているので、地域独自の情報を持っているかどうかを見る。実績が豊富にあれば、より正確な価格動向も知ることができる。
 物件のデメリットも伝える  契約時には必ず「重要事項説明」をしなければならないため、最後までデメリットを知らされないことはない。しかし初期段階から知っていれば対処できる問題も多いため、きちんと知らせるかどうかで相手の「誠意」を測ることができる。
 税金の知識がある  住宅ローン控除など、購入時には何かと税金関連の処理が必要。十分な知識を持っていない担当者だと後のトラブルの原因となる。
 住宅ローンのアドバイスが的確  借入限度額は年収に応じて決まるが、限度額いっぱいのローンを組むのはリスクも大きい。機械的に割り出せる計画ではなく、ライフプランを理解したうえでのアドバイスをしてくれるかどうかを判断したい。
 中古住宅の知識がある  中古住宅の取引を行うには、新築以上の知識が必要。取引実績が豊富であれば、少なくとも知識面では安心できる。

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